意味順開発者の声

 
写真:田地野教授

京都大学 国際学術言語教育センター 教授
田地野 彰(たじの あきら)

京都大学国際学術言語教育センター教授。言語学博士。ELT Journal(英国オックスフォードジャーナル)編集委員(2012 年-2015 年)。専門は教育言語学・英語教育で、英語のカリキュラムや教授法・学習法、教育文法、教材などの開発研究に取り組んでいる。著書・論文は多数。なお、「意味順」に関する著書としては、『<意味順>英作文のすすめ(岩波ジュニア新書, 2011)、『「意味順」英語学習法(ディスカヴァー・トゥエンティワン, 2011)、『「意味順」で中学英語をやり直す本(監修, KADOKAWA/中経出版, 2012)、『NHK 基礎英語 中学英語完全マスター「意味順」書き込み練習帳(NHK 出版, 2014)、『(Σベスト)「意味順」ですっきりわかる高校基礎英語(監修, 文英堂, 2014)、『英語初心者もレベルアップ「意味順」書き込み練習帳 日常英会話編』(NHK出版, 2015)などがある。NHK E テレ「基礎英語ミニ(2012 年度上半期)の監修、およびNHK ラジオテキスト「基礎英語1(2013 年度, 2014 年度)にて「あたらしい英語の教科書」の連載を担当。現在は、小学校から大学まで意味順を取り入れながら、幅広い視点から英語教育システム全体を見直す研究を行っている。

 

英語は、固定語順言語であり、「語の順序」が重要な働きをします。たとえば、“The boy ate the apple.(その少年がリンゴを食べた。)”と言うべきところを、誤って“The apple ate the boy.”と言ってしまうと、その意味は正しく伝わりません。こうした語順の重要性からも、多くの場合、中学・高校の文法参考書では「文の構成(文型)」を最初に学習することになっています。ところが、その説明の際に使用される、主語や動詞、目的語、補語などの文法用語が、学習者の「英語嫌い」、「英語の難しさ」の原因の一つとなっていることも事実です。

そこで、別の観点から、文法用語を使わずに英文の理解と作成を支援する方法を紹介します。ご存知のように、私たちのコミュニケーション活動においては、「誰が、誰に対して、何を、どのような状況で」といった内容を的確に伝えることが重要となります。こうした情報の順序を活用して開発したのが、「意味順」(「だれが/する/だれ・なに/どこ/いつ」)です。英語では、一般に、主語=行為者(doer)、目的語=受動者(undergoer)ですが、この「意味順」は、概して母語話者の英語習得過程において特徴的な意味役割の順序(「動作主/動作/受け手/対象物/場所」)にも対応しています。英語の流暢さに求められるチャンク(意味のまとまり)活用の点からも、「意味順」は、英語学習、とりわけその初期段階において有効であると期待できます。

また、「英語の授業は楽しかった」という日本語文では、主語の「私は」が省略されていますが、「意味順」を使えば、「だれが(=I)/する(=enjoyed)/なにを(=the English lesson)」ですから、“I enjoyed the English lesson.”となります。じつは、この日本語での主語脱落の問題が、日本の英語学習者にとって最大の問題点であるとの主張もあります。

このようにしてたとえば、「デビッドが図書館でティムに会った」=「だれが(=David)/する(=met)/だれに(=Tim)/どこ(=in the library)」により、“David met Tim in the library.”を学習したうえで、より複雑な文である「デビッドが図書館でティムに会ったことを私は知っている」=「だれが(=I)/する(=know)/なにを(that David met Tim in the library)」から“I know that David met Tim in the library.”へと発展させることを期待しています。

京都大学教授 田地野 彰

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英和・和英辞典の編纂者/ハーバード大学文学博士が推薦する「意味順」

 
写真:デイビッド・P・ダッチャー教授

ハーバード大学 文学博士
David P. Dutcher(デイビッド・P・ダッチャー)

1944年米国ニューヨーク州生まれ、ハーバード大学で日本古典文学研究において博士号取得。研究社の英和、和英辞典の編者、編集委員、執筆者。翻訳家、英訳金子みすヾ童謡集『Something Nice』、元大阪大学英語講師,元南九州短期大学国際教養学科教授、主要業績;『新編英和活用大辞典-英語を書くための38万例-(研究社)

Born in 1944 in New York, USA; received Ph.D. in classical Japanese literature at Harvard University; editor of Japanese-English /English-Japanese dictionaries; translator of an anthology of verse (Something Nice) by KANEKO Misuzu; taught English at Osaka University; and former Professor at Minami Kyushu College; Chief accomplishment: The Kenkyusha Dictionary of English Collocations.

 

新発売の意味順英語練習帳が手元に届いた。ついにこのすばらしい英語学習法が広く使われる場を得たのである。

多くの子どもたちがそうであるように私もまた母によって言葉を学んだ。母の話すのをくりかえし聞きながら、言葉の意味と文法との関係については何の説明も必要とせず自然に学んだ。

田地野彰教授によって生み出され、育まれた「意味順」は明快そのものである。意味順を使い、単語(日本語)を並べ変えることによって、英文を瞬時に作ることができ、また、この作業を繰り返すことによって、英語の仕組みが程なく身に付けられる。私は特に、文法を学ぶことに力を入れた学習環境に苦しんでいる生徒達にこの「意味順」を薦めたいと思う。

外国語を修得するということは終わりのない、また、学ぶに遅すぎるということのない得難い宝である。私が日本語を学び始めたのは20代になってからであったが、言葉とともに私が学んだものは文学、芸術や歴史の遠望に目を見開かされることであった。

空が晴れ渡り、「意味順」と呼ばれる画期的な学習法がその姿を見せた。

デイビッド・P・ダッチャー


The newly published “Imijun (The Order-of-Meanings)” English exercise notebooks have gone on sale and a set has reached my hands. At last this wonderful system is finding broad use!

Like most children I absorbed language at my mother' s knee. As I listened to her speak the same phrases over and over, I learned their meanings and grammatical associations automatically without requiring any explanation.

"Imijun," conceived and developed by Professor TAJINO Akira, is the essence of simplicity: by using "Imijun" and shifting the position of the Japanese words, you can make English sentences in an instant; by repeating these actions the structure of the English becomes readily apparent.

I particularly recommend "Imijun" to students who have suffered in an environment that stresses grammar.

Mastery of a foreign language is a treasure that is never exhausted and never too late to acquire. Although I was already in my twenties when I began to study Japanese, what I have learned with my second language has opened my eyes to great vistas of literature, art, and history.

The skies split and now reveal an epoch-making program called "Imijun".

David P. Dutcher
October 6, 2010

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